■ 共生学とは

共生とは、「民族、言語、宗教、国籍、地域、地域、ジェンダー・セクシュアリティ、世代、病気・障がい等をふくむ、さまざまな違いを有する人々が、それぞれの文化やアイデンティティの多元性を互いに認め合い、対等な関係を築きながら、ともに生きる」ことを意味する。前近代社会では、地縁・血縁関係によって共生にはおのずと一つの形が与えられていた。近代社会では国民国家が共生を実現するための単位となっていた。グローバル化する現代社会に生きる私たちにとっても、地縁・血縁と国民国家は依然として重要であるが、こうした枠組み自体がおおきく変容しており、それだけでは共生を実現することはもはや困難である。私たちは、自らの意思と選択とで新たな共生の形を構築していかなければならない。共生は、社会の状態ではなく、社会の目標である。それは、できあがったものではなく、創りあげていくものである。

平成28年度に新設される共生学系の使命は、人間科学研究科が蓄積してきた教育・研究活動の成果を土台として、一方では「人間が人間らしく生きる」とはどういうことかという原点に立ち返り、他方では21世紀のグローバル社会の状況を反映した、「共生学」を構築することである。そして、新たな学問を構築する営為を続けつつ、私たち全員が直面している「共生」という重大な課題に対する理論的・実践的解を、アクティブに探究・案出できる人材の養成をめざす。