大阪大学 人間科学研究科 共生学系

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2023年度共生学実験実習1・グローバルビレッジ班

作成者:共生学実験実習Ⅰ B班(安達、佐野、井上、CHEN、滝本、片平、竹中、平野、森、松崎)

 共生学実験実習B班では、グローバルビレッジ津雲台(以下GV)にて、高齢者の方々および留学生との交流を中心とした実習を行った。
まず、本実習の目的は、GV にイベントの運営を通して関わることで、学校や職場といった同質性の高いコミュニティとは違う、異なる背景を持つ人々が集まったコミュニティのあり方を考えることである。
 この目的を踏まえて、この実習で行ったイベントについて報告する。一つ目は11/19に行われた「おもろい学(あそ)び場 GV フェス」である。GV内のサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)入居者との交流も兼ねて、11/10に当日使用する飾りを一緒に作成した。共生を目指すイベントに実際に参加し現場を知れた上に、多様な属性の方々に参加いただき、多世代の交流を実現できた。一方で、当日のスケジュールや、他の出店者の概要など事前にイベントについてもっと知っておくべきだったなどの反省点もあった。

 

GVフェスで水風船釣りの出店を出店

 

 次に入居者の方々とさらに密接に交流することを目指して、12/1に「落語交流会」を行った。サ高住の入居者16名を招き、2人の学生が落語を披露した。落語を交流ツールとして、価値観や文化を共有しながらお話をすることができた。高齢者の方々にも話しやすい話題を選択することで、予想以上に会話が弾み、学生と入居者間だけでなく、入居者同士の交流のきっかけともなった。ただ、配慮が必要な方々に対して、もっと適切に対応できればよかったとも感じた。

 そして本実習の目的にもある、異なる背景を持つ人々で構成されたコミュニティの交流を、12/15に「日本遊び×国際交流」イベントとして行った。サ高住の入居者およびGV内の寮に住む留学生を対象とした。自作したカルタや福笑いを用いることで、言語や文化の壁があっても活発な交流が生まれた。ただ、イベントの参加人数予測や、コミュニケーションの取り方に反省点がみられた。しかし、年齢や国籍に関係なく交流できることを肌で感じられた。

 

「日本遊び×国際交流」イベントでの交流の様子

 

 これらのイベントに参加・運営することを通して、イベント活動によって高齢者、留学生、学生など、異なる属性の人たちのつながりを創出することが出来ると分かった。異なる背景を持つ人々がそれぞれただ近くに暮らしているだけという状態に、お互いに関わる機会を与えると、普段の生活(学校、職場など)では触れることのできない価値観に触れることができるのではないかと感じた。

 ただ逆にいえば、意図的に関わり合う出来事を作らなければお互いに関わることができないともいえる。その場で交流することはできるが、日常的なコミュニケーションには繋がらない場合が多い。実習でイベントを通した交流の楽しさを実感したからこそ、それが続かないことに悔しさを感じた。そのため、個人の自発性に関係なく、多世代・多文化の交流が生まれることを目指すことが、異なる背景を持つ人々が集まったコミュニティのあり方として望ましいのではないかという結論に至った。

 

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